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あいまいな「乖離」の基準 相続税申告実務に混乱も=板倉京

 相続税の申告で、国税庁が定めた財産評価基本通達に基づいて財産評価しているにもかかわらず、国税当局に否認されるケースが相次いでいる。基本通達に基づいて算定した評価額が、実際の時価と著しく乖離していることを理由としているが、「著しい乖離」の基準はあいまいであり、相続税の申告実務に混乱をもたらす可能性がある。

 確かに、特に不動産では、基本通達による相続税評価額と実際の時価が著しく乖離しているケースは珍しくない。税理士としては、顧客のために少しでも納税額を抑えようと考えた場合、可能な限り低い評価額で申告しようとする。しかも、それが基本通達にのっとった評価であればなおのことだ。

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