消費税 還付申告者は全件チェック 次々に塞がれる“抜け穴”=松嶋洋
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国税当局が消費税の不正還付に対し、非常に厳しい対応を見せている。昨年10月に消費税率が8%から10%へ引き上げられたタイミングでもあり、消費税の還付を申告する法人や個人に対する調査を強化している。報道によれば、今年10月には東京、大阪、福岡など7国税局が免税店などを対象に、消費税の不正申告について初の全国一斉調査を実施したとされ、法人と個人に計約40億円を追徴課税したという。
消費税の申告は、原則として商品・サービスを売った時に受け取る税額から、仕入れ先などに支払う税額を控除(差し引くこと)して計算する(図1)。受け取った消費税より支払った消費税が多ければ、原則として還付を受けられるが、この仕組みを利用した不正還付が後を絶たない。国税庁の発表によれば、消費税の還付を申告した法人に対する追徴税額は、年度によって大口事案などが影響するものの増加傾向にあり、調査が強化されて…
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週刊エコノミスト
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