海外子会社 中小企業も狙われる取引 「利益」の移転に要注意=多田恭章
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国税庁が海外子会社を持つ企業への調査に力を入れている。海外子会社を持つ企業というと大企業をイメージしがちだが、税務署が調査を担当する中堅・中小企業でもアジアなどに海外子会社を設けるケースが増えている。中でも税務調査で厳しくみられるようになっているポイントが、国内の本社と海外子会社の間の取引にかかる「移転価格税制」だ。
移転価格税制とは、企業が海外子会社との間で大幅に低い価格で取引したりすることで、企業の課税対象となる所得(「益金−損金」で計算される法人税法上の利益)を減少させた場合、その取引が独立した企業間の通常の取引価格で行われたものとみなして所得を再計算する制度を指す。法人税率の低い国に利益を移転し、国内での課税を逃れることを防ぐために導入されている。
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週刊エコノミスト
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