事業承継税制 相続・贈与税の猶予・免除でも気を付けたい特例の“落とし穴”=村田顕吉朗
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多くの中小企業では、後継者へいかに経営をバトンタッチするかが社長の悩みの種だ。社長の悩みを一層深くしているのが税の問題で、後継者に株式を贈与したり相続させたりすると、贈与税や相続税が高額になるケースも珍しくない。2018年度の税制改正では、事業承継税制に贈与税や相続税の猶予・免除の範囲を拡充する「特例」が導入されたが、「税金がタダになる!」と飛びつくのは危険だ。
中小企業では社長=株主(オーナー)であるケースが大半だ。設立から数十年がたち、従業員を20〜30人も抱える規模になると、設立当初は1000万円程度だった資本金(株式)の価値が、現在では数億円まで膨らんでいることも珍しくない。後継者への株式の移転方法には売買や贈与、相続などがあるが、売買では後継者側の買い取り資金の問題が発生し、贈与・相続では贈与税・相続税の負担が問題となってしまう。
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週刊エコノミスト
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