経済・企業日本経済総予測 2021

二極化 コロナは市場の「救世主」だった=高田創

 2021年の日本経済のキーワードは、二極化だ。

 新型コロナウイルスの影響が大きい宿泊や飲食、医療福祉などの中小零細のサービス業、いわゆる「コロナ7業種」と呼ばれるところで働く人々は、コロナが完全に収束しない限り、厳しい状況が続く。これらの業種は日本の雇用の4割、売り上げの2割を創出している。その救済には、対症療法はあっても、特効薬がない。コロナが続く限り、弱者が存在する限り、金融政策、財政政策を続けるしかないというのが今の状況だ。

 その「副作用」ともいえるのが、株や不動産といった資産価格の上昇だ。20年初のコロナ前、米国株は史上最高値を更新し続け、過熱状態にあった。コロナがなくてもおそらくどこかで大暴落していただろう。コロナ対策という大義名分の下で、各国がこぞって金融緩和と財政政策を打ち出した。

残り1067文字(全文1420文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事