原油 需要回復鈍く30~50ドル 脱化石で沈む産油国=畑中美樹
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石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で作る「OPECプラス」は12月3日、産油量を2021年1月は日量50万バレル増やし、減産規模(日量770万バレル)を日量720万バレルに縮小することで合意した。2月以降は閣僚会議を毎月開き、需給状況を見ながら減産幅を縮小する。
原油相場は、新型コロナウイルスに有効なワクチンの開発期待から依然、底堅い。他方、感染再拡大により欧州などでロックダウン(都市封鎖)が相次いだため、需要の回復が鈍るとの見方も根強い。OPECは11月の月報で、欧州での感染拡大から21年の石油需要の回復を従来見通しから下方修正した。国際エネルギー機関(IEA)も11月の月報で「国際石油市場が重要な恩恵を感じることは21年になってもしばらくないだろう」と冷めた見方を示した。
このように、需要の冷え込みが一過性のものか否かが21年の原油市場の最大の焦点である。もちろん、有効なワクチンが世界レベルで普及するめどがつけば石油需要の回復もあり得るが、筆者は21年の油価は、40ドルを中心に上下10ドルの変動幅で推移すると見ている。
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週刊エコノミスト
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