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コロナで変わる個人投資家 逆張りで高リターン狙う=宮本佐知子
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コロナ禍において個人の資産選択に変化が出ている。日本銀行の統計で確認すると、2020年1〜9月に個人資金の純流入額が目立ったのは、現金・預金と上場株式だった。コロナ感染拡大の影響を警戒しつつも、現金・預金で流動性を確保する一方で、相場変動に機敏に反応した人が少なくなかったと考えられる。
個人による株式の売買状況を見ると、20年は3月から売買が増加し、足元でも活発だ(図1)。売買代金の週間平均額は、19年の4兆円から20年には5・5兆円へ増加した。売買代金で見る個人の市場シェアも、19年の20%から20年4月以降は25%前後で推移し、15年以来5年ぶりの高さとなっている。総じて、個人投資家の存在感は高まっている。
個人の中でも、コロナ禍の下で特に活発に売買を行ったのは、信用取引の増加から推測すると、投資経験を積んだ既存の個人投資家とみられる。個人の売買代金は、20年4~9月の半年間では、その前の半年間(19年10月~20年3月)に比べて18%増加した。売買の手段では、現金取引(9%増)よりも信用取引(24%増)の方が増加しており、よりリスクをとった活発な投資が浮き彫りになっている。
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週刊エコノミスト
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