経済・企業ガソリン車 ゼロ時代

「脱ガソリン」に勝機 電池、ソフト、半導体、水素 42銘柄=阿部哲太郎

電池 「全固体」で日立造船に脚光

 自動車の電動化で電池の需要が大きく伸びる中、部材メーカーなどは強みを生かした展開を進める。ニッポン高度紙工業は、植物由来の高性能セルロース系の電池用セパレーターの出荷が伸びる。東レはポリマーの分子技術を生かした安全性の高い電池用の無孔セパレーターの開発を加速する。

 一方で、「全固体電池」にも注目が高まる。現状では、IoTデバイスなどに向けた超小型の「酸化物系全固体電池」の利用が進んでいるものの、車載用の大型の「硫化物系全固体電池」は開発途上で実用化は2025年以降と見られていた。しかし20年末、全固体電池の特許保有トップのトヨタ自動車が、全固体電池の搭載車を20年代前半に販売する方針と報じられた。

 三井金属は、電解液と同等のイオン伝導性を有するアルジロダイト型の硫化物固体電解質を手掛ける。 量産試験用の設備の稼働を開始したと目されており、正極材や負極材も並行して開発している。オハラは、酸化物系の固体電解質材料の「LICGC」に注力。酸化物系の安全性を生かして車載分野での利用を狙い研究を進める。

残り1289文字(全文1759文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事