日銀 3月「点検」は円高も念頭 マイナス金利の深掘りも=井上哲也
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日銀は今年3月18、19日に予定する金融政策決定会合で、現在の金融緩和政策の「点検」結果を示す予定にしている。新型コロナウイルス禍の影響で、経済・物価への下押し圧力が今後も当面、続くことが予想される状況の中で、「より効果的で持続的な金融緩和を実施していく」ことが理由だが、足元で徐々に進む円高への対処も念頭に置かれるだろう。
日本企業の円高対応力は、収益の増加やグローバル・サプライチェーン(供給網)との一体化による輸入拡大を通じて改善傾向を示していた。しかし、安倍晋三前政権下で、日銀の大胆な金融緩和を起点とする「アベノミクス」が展開され、円相場が安定感を増す中で海外生産比率の上昇も頭打ちとなり、足元の製造業の採算ラインは1ドル=90円台後半にあるとみられる。
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週刊エコノミスト
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