「超円高」は来ない! 一変した日本円を巡る構造 投資マネー巻き戻しも消失=竹中正治
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超スローな円高基調が続いている。今の円高トレンドの起点は、2016年11月の米大統領選挙でトランプ氏が当選した翌12月に付けた1ドル=118円台だろう。予想外のトランプ氏の当選で、彼の公約だった大減税が実施される可能性が急浮上し、米国景気の上振れ予想と長期ドル金利の急上昇が、円安・ドル高の市場反応を引き起こした。
結局118円台から現在の103円台まで、4年1カ月かけて15円の円高になった。この間、ある程度の円安への揺り戻しもあったが、トレンドは変わらず、1カ月平均で0・31円の円高が進んだ。1980年までさかのぼって円相場の歴史を振り返ると、このような緩やかな円高の進行はまれだ。
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週刊エコノミスト
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