日進月歩 IT最強のGAFAMは半導体分野で存在感を高める=吉川明日論
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<第2部 栄枯盛衰>
国際半導体製造装置材料協会(SEMI)によると半導体の基板材料であるシリコンウエハーの2020年の出荷総数(面積換算)は前年比5%増となった。業界の勢力地図は、市場ニーズの変化とともに常に構造的変化を遂げてきた。最近の自動車用半導体の深刻な供給不足は、従来型のビジネスモデルを維持しようとする自動車業界と、常に加速的変化を続ける半導体業界のギャップを象徴する出来事ともとらえられる。
世界初のトランジスタが1947年に開発され半導体産業の歴史が切り開かれてから70年あまりが過ぎた現在、この業界には新たな地殻変動が起こっている。GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)と呼ばれる米巨大IT企業群が、半導体分野でも存在感と影響力を増していることだ。各社は、いずれも自社のサービスに重要と思われるハードウエア製品の一部に自社開発の高性能半導体部品を使用…
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週刊エコノミスト
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