コロナ時代の焦点3 「格付け」に異変 「格下げ」と社債発行が急増=山本武成
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コロナ禍が世界を襲った2020年から21年2月までに、S&Pが格下げをした企業数は世界で1000社を超えた。航空機需要の低迷を受けた米航空機大手ボーイングなどが含まれる。世界的な自動車販売の急減を理由にトヨタ自動車さえも9年ぶりの格下げを免れなかった。
一方、手元資金確保のため企業の社債発行ニーズは増加した。中央銀行の大規模な金融緩和や資産買い入れが発表されたことで、債券投資への安心感が高まり、20年の世界の社債発行額は19年の約2割増の8兆ドル規模に達した(S&P調査)。日産自動車が20年9月にドル建てで80億ドル、ユーロ建てで20億ユーロ、合わせて1.1兆円相当を発行するなど、大型発行が複数あった。景気回復が視野に入りだす中、21年の世界の社債発行は20年をやや下回る水準を予想する。
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週刊エコノミスト
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