日本株が上がるワケ2 企業統治強化と海外シフト 進む海外投資家の理解=松本聡一郎
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1990年代初めのバブル経済崩壊は、不採算事業や過剰債務による不良債権という「負の遺産」をもたらした。この処理にめどが立ったのが、98年10月の金融再生法成立だ。バブル崩壊から約9年近くの年月を要したが、この時が日本株の再出発点だと考えている。その後、日本株は、欧米の株式市場と遜色のないパフォーマンスが続いた。だが、2008年のリーマン・ショックで再び暗転。欧米は早急に不良債権処理に着手し、大規模な金融緩和で金融システムの安定化を図った。中国は大規模な財政出動で経済成長を加速させた。一方、日本は金融システムは安定していたが、デフレ脱却のための本格的な政策対応は13年からのアベノミクスまで待たなくてはならなかった。その間、日本株は欧米に比べて回復が遅れ、低迷が続いた。
大きな転機は、15年のコーポレートガバナンス・コード(企業統治の行動指針)導入だ。日本企業がROE(株主資本利益率)や資本コストなど株主資本を効率的に運用する視点を採用するようになった。これによって、利益を配当や自社株買いなどで株主に還元するという流れが徐々に定着した。
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週刊エコノミスト
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