日本株が上がるワケ4 東証市場改革が促す企業の新陳代謝=松本史雄
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東京証券取引所が実施する東京市場の区分とTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄の見直しは、日本企業にガバナンス(企業統治)強化への動機を生むことで、中長期的には日本株の上昇要因になる可能性がある。
現在の東証市場では、一旦、1部市場に上場すれば、2期連続債務超過になるなどの極端な条件に陥らない限りは、企業価値を上げず時価総額が低迷しても上場が維持され、それが経営陣に株主との対話のインセンティブを生まない要因の一つとされていた。
そこで、東証は22年4月に、現在の東証1部、東証2部、ジャスダックスタンダード、ジャスダックグロース、マザーズの5区分をプライム、スタンダード、グロースの3区分に再編する。東証1部上場企業は「流通時価総額100億円以上」「流通株式比率35%以上」などの条件を満たした場合に、プライムに移行できる。一方で、東証1部以外でも、「流通時価総額100億円以上」「時価総額250億円以上」などの要件を満たせば…
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週刊エコノミスト
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