砂糖・食用油 原油高が価格に影響大 エタノールの比率上昇へ=小菅努
有料記事
国連食糧農業機関(FAO)の2月食料価格指数は平均116・0ポイントとなり、9カ月連続の上昇で2014年7月以来の高値を記録した。目立つのが砂糖と食用油価格の高騰だ。過去1年で砂糖指数は9・6%、植物油指数は51・0%上昇している。
足元で原油価格が高騰しているが、それが砂糖価格にも大きな影響を及ぼすことはあまり知られていない。砂糖は主にサトウキビが原料になり、圧砕して搾り取った汁を煮詰めて結晶化させたものが原料糖になる。ただ、サトウキビからはエタノール生産も可能であるため、原油高でエタノール価格が高騰する中、圧砕工場が砂糖の生産比率を引き下げるとの観測が浮上している。
砂糖はブラジル、インド、欧州などが主要生産地になり、米農務省によると20〜21年度は世界全体で1億8187万トンの生産が見込まれている。世界最大の23%のシェアを有するブラジルはエタノール産業が盛んであり、砂糖とエタノールの市場価格をみながら両者の生産比率を決めている。
残り744文字(全文1169文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める