投資・運用

ロビンフッド無料取引のからくり 証券版「アラブの春」で笑う者=黒木亮

 SNS(交流サイト)の掲示板を介して共闘した個人投資家が巨大ヘッジファンドを倒したと話題になったゲームストップ株が、騒動後の40ドル前後の底値から再上昇し、3月中旬時点で200ドル前後を付けている(図1)。関係者によると、再上昇は個人投資家ではなく、機関投資家の買いの影響だという。

 今回の騒動は、証券市場でSNSと個人投資家の影響力が増大したという変化が顕在化した点で、画期的な出来事であるのは間違いない。一方、株価上昇局面で共闘に馳(は)せ参じた個人投資家は高値づかみで損失を被り、一番もうけたのは市場のビッグプレーヤーであると見られる。

 その意味で、SNSを通じて庶民が蜂起し、長期独裁政権を倒したものの、結局は元の軍事政権に戻ったり、内乱状態に陥ったりした「アラブの春」(2010〜12年)の光景と重なる。

残り2132文字(全文2490文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

3月19日・26日合併号

株価4万円突破! 勝つ投資16 新NISAで歴史的高値到来 時間を味方にしっかり分散■編集部19 インタビュー 代田秀雄 三菱UFJアセットマネジメント常務 アクティブ偏重に疑問 低コストにこだわり19 使わなきゃ損! 投資非課税の新NISA 無期限化と枠拡大&復活■編集部20 新NISA 日本株、 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事