資源・エネルギー電力が危ない

古参・エフパワーが経営破綻 水面下で加速する再編・淘汰=本橋恵一

 今冬の電力需給逼迫は、「新電力」と呼ばれる電力小売り市場の新規参入者に大きな打撃を与えた。電力の調達先である日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格が暴騰したためだ。3月24日には、新電力の“古参”企業として知られるF-Power(エフパワー、東京都)が、会社更生法の適用を申請した。帝国データバンクによると負債総額は約464億円と見られる。今冬の需給逼迫による電力調達コストの急増が原因と思われる。同社に限らず、すでに新電力各社では、水面下で事業譲渡や再編の動きが加速しているようだ。

 2016年の電力小売り全面自由化以降、安定収益が見込める電力小売り市場への新規参入が急増し、20年10月1日時点で、その数は679事業者(資源エネルギー庁資料)に及ぶ。これら「新電力」が日本の電力販売に占めるシェアは、20年6月時点で約17.8%(約1395万件、同)となっている。

残り703文字(全文1088文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事