インタビュー 安田陽・京大教授 「2050年に総発電力の9割を再エネにできる」
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海外に比べて日本で自然エネルギー導入が遅れているのは政策調和の欠如が原因と指摘する安田陽京大教授に聞いた。
(聞き手=浜田健太郎/村田晋一郎・編集部)
── 日本の総発電電力量に占める再生可能エネルギー比率は2019年度に18%で、このうち太陽光が7%弱、風力は1%弱。なぜこんなに低いのか。
■21世紀に入って海外、特に欧州では風力の導入拡大が顕著だった。19年実績値ではデンマークで55%、アイルランド31%、ドイツ20%、英国19%を風力で賄っている。日本では原発事故が起きて、原発比率は大きく減ったが、代わりに石炭など火力発電が増えただけ。エネルギーの中身を変えようという努力がほとんど見られなかった。
── 再エネを増やそうと政府は12年に「固定価格買い取り制度(FIT=フィード・イン・タリフ)」を始めたが、それでも風力が増えなかった要因はなにか。
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週刊エコノミスト
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