半導体 世界的な半導体の好景気 米中対立で大型投資計画=和島英樹
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半導体業界が空前ともいえる活況に沸いている。背景に、高速通信の5G(第5世代通信規格)の商用が本格的に始まりIoT(モノのインターネット)市場が育っているほか、2020年からの新型コロナウイルス感染症でテレワーク、オンライン診療、オンライン教育などでトラフィック(通信量)が大きく伸びていることがある。EVシフトで自動車の制御に使う半導体の需要も増えていく。一方、台湾のTSMC、韓国のサムスン電子などのファウンドリー(受託生産)企業の存在が大きくなり過ぎ、主要国では半導体の自国生産の空洞化が起こっている。生産上のこうしたリスクを回避するため、世界各国では半導体の自国生産のニーズも高い。米中が対立する中で、中国は自前での半導体生産への意欲を見せている。
直近でも大きな動きがある。米半導体大手のインテルは21年3月、200億ドル(2兆1800億円)を投じて米国アリゾナ州に新工場を建設し、ファウンドリー事業に進出すると発表した。24年の稼働を目指す。回路線幅が7ナノ(1ナノは10億分の1)メートル以下の製造プロセスを採用するとみられる。微細化対応の遅れで昨年までは生産委託を増やすとしていたが、新経営陣が一転、自社生産に加えて受託までを打ち出している…
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週刊エコノミスト
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