米国 空前の2兆ドルインフラ投資 「大きな政府」で38年ぶり高成長へ=今村卓
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<第2部 世界経済編>
米国の景気回復に弾みがついてきた。3月のISM景況感指数は製造業、非製造業とも高水準を付けた。コロナ禍で落ち込みが深刻だったレストランの予約状況も、最近は復調しつつある。実質国内総生産(GDP)も今年1~3月期には前期比年率5~6%増に達した模様だ。
今後の景気を支えるのは、3月前半に成立した1・9兆ドル(約200兆円)の新型コロナ対策「米国救済計画」だ。バイデン政権の提案通りのGDP比9%の財政出動を可能にした成果は大きい。「救済」の対象も政権の狙い通り、中間層以下で特に子どものいる世帯、失業者、資金不足の地方自治体など、コロナ禍の傷痕が色濃く残る人や組織に集中して景気回復の厚みが増す。
ワクチン接種の加速も景気回復を後押しする。バイデン政権の接種加速策により、接種率は4月12日に36%に達した。変異ウイルスの感染拡大リスクはあるが、独立記念日(7月4日)に社会正常化への道筋を付けるという政権の目標も達成可能だ。
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週刊エコノミスト
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