週刊エコノミスト Online編集後記

和田肇/金山隆一

編集部から

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、その先物価格が世界の原油価格の指標となっている。ただ、石油開発会社に長年勤めた、ある人の話によると、米テキサス州の一地方で産出され、世界の原油生産量の数%にも満たないWTIが、世界の原油価格の指標になる合理的な根拠は希薄だという。

 硫黄分が少なく軽質油として品質の高いWTIは、高めの価格で取引されるケースが多いので、石油関係者にとっては、それが国際指標になれば都合がいい。だから、そうなっているに過ぎないという。相場とは本来、参加者の都合で作られ、動いていくものだとすれば、世界の指標となる特段の根拠など不要なのかもしれない。

 WTIは日常的に使うガソリン価格にも影響する。今週末はバブル期に購入した愛車に、そろそろ給油をしないといけない。

残り834文字(全文1188文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事