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週刊エコノミスト Online 編集後記

北條一浩/桐山友一

編集部から

 書店の開店が相次いでいる、と書いたら「そんなバカな」と言われるだろう。全国の書店総数は減少の一途というのが一般的な常識だ。

 種明かしをしよう。ここで言うのは個人経営の古書店のことである。コロナ禍で多くの業態が閉店するなか、古書店は、閉店も確かにあるがそれ以上に新規開店が目立つ状況にある。

 好況の理由には、「信頼」がベースにあると思う。個人の古書店はスペースも小さく、扱える点数も限られている。必然的にセレクトショップ的な品ぞろえとなる。そして急いで付け加えるが、そこには「セレクトショップ」という言葉に表れるスノビズムは前面には出ず、「まちの本屋」としての大衆性のほうが大切にされている。

 本好きが信頼できて、排他的でもなく、隅々まで棚を見られる店。最高だ。これからは個人商店の時代だ、と言える現実がここにある。

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