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週刊エコノミスト Online 編集後記

種市房子/神崎修一

編集部から

 新興国の石炭火力発電への融資や事業参画に積極的だった銀行や商社だが、最近の役員インタビューの記事でよく見るセリフは「石炭火力への新規融資は行いません」「既存の石炭火力は売却します」だ。

 しかし、新興国では安定した電力への需要は根強く、総コストが割安な石炭火力をやむなく必要とする。日本の銀行や商社が足抜けしたところで、残された発電所の運営は誰かが続行して、二酸化炭素は排出され続ける。新規融資打ち切りにより石炭火力の新設は無くなるが、代替電力は示されていない。

 商社には「当社だけが二酸化炭素を減らして良しとしていいのか」と逡巡(しゅんじゅん)する人物もいる。「脱石炭火力」を主張するならば、新興国の脱炭素と電力の安定供給をどう進めていくのか考えるのとセットではないか。しかし、「脱炭素」の無責任なアピールしか感じられない記事が目立つ。

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