温暖化ガス「46%減」目標 9年後に「有言不実行」?
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菅義偉首相が4月22日、二酸化炭素など温室効果ガス排出量を2030年度に13年度比で46%削減すると表明したことに対し、産業界の一部からは「実現可能な数字ではない」(エネルギー業界関係者)との指摘が聞かれる。
従来は30年度に26%減の目標だったが、菅首相が昨年10月、「50年排出量実質ゼロ」を掲げたことで一気にハードルが高まった。13年度を起点に50年まで毎年同じ量を削減すると仮定した場合、30年時点で46%減になる。
経済産業省は30年度の削減目標について、「どれほど数字を積み上げても30%台後半が限度」(同省関係者)とみる。しかし、英国が30年時点で1990年比68%減、EU(欧州連合)同55%減を打ち出し、米国も50%超(05年比)の削減目標が有力視されていた。首相としては、「50%に向けて挑戦を続ける」(22日の記者会見)ことを世界に訴えるには46%が最低限の数字だった。
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週刊エコノミスト
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