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コロナ禍が新卒労働市場を直撃 「新・就職氷河期」を作るな=太田聡一
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コロナ禍によって昨年の新卒労働市場は、大きく影響を受けた。採用人数を絞り込む企業が出てきただけでなく、会社説明会の中止や延期、対面ではなくオンラインでの面接の実施など、採用する側にとっても採用される側にとっても手探りでのマッチングを余儀なくされた。
フリーターの高齢化
33 文部科学省と厚生労働省が実施している就職内定状況調査によると、2月1日現在の大卒予定者の内定率は89・5%で、前年を2・8ポイント下回っており、今年の就職状況の悪化を明確に示している(図)。
新卒の就職動向が大きな関心を呼ぶのは、それが長い期間にわたって人々の仕事や処遇に影響を与えるからだ。そうした状況は「世代効果」と呼ばれる。端的な例は、バブル崩壊後から2000年代前半までの不況期に学校を卒業した「就職氷河期世代」である。今後、コロナ禍による「新・就職氷河期世代」を生み出さないためには、彼らの経験を踏まえることが必要だ。
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週刊エコノミスト
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