東京市場 ストラテジストが読む 慎重な業績予想、上方修正カギに=三井郁男
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2021年3月期の決算発表が進んでいる。製造業は業績が急回復しているが、コロナ禍の影響が長引く非製造業の業績はもう少し停滞が続きそうだ。
前年度は、製造業は海外経済の回復に加え5G(第5世代移動通信システム)の本格化や、電子取引市場の拡大などに伴い半導体や電子部品需要は非常に強く、東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体製造装置関連や日立製作所、SMCなどの業績を押し上げた。一方、決算発表後の株価は期待先行で買われていたこともあり、目先の材料出尽くしで日本電産やソニーグループなど下落する銘柄も目立つ。
日本電産は業況が直ちに大きく変わらないものの、永守重信会長がCEO(最高経営責任者)を退き、今年度の会社計画が市場予測の範囲内にとどまり株価は下落した。足元の業況は、電気自動車を駆動するトラクションモーターの受注が中期・長期とも従来見通しより拡大予想に見直したが、足元の世界の自動車生産は半導体などの材料不足で各社は減産を余儀なくされている。
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週刊エコノミスト
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