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今週のポイント 4月の貿易統計(5月20日) 輸出増加の裾野は広がるか=上野剛志

 5月20日に財務省より4月の貿易統計(速報)が公表される。日本の輸出額は新型コロナの流行によって昨年春にかけて急減した後、世界経済の回復を受けて持ち直しに転じた。直近3月(確報)の輸出額は自動車や非鉄金属などの増加によって、前年同月比16.1%増と2桁の伸びに達している。この高い伸びは昨年3月の輸出額がコロナ流行によって落ち込んだ反動が出た面が強いものの、コロナ前の2019年3月と比べても2.4%上回る。

 仕向け先別では、米国向けが19年3月比で12.5%減、EU(欧州連合)向けが同17.1%減と振るわない一方、世界に先駆けて景気回復が進む中国向けが同25.3%増と高い伸びを示し、輸出の回復は中国頼みが鮮明になっている。

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