「手詰まり」ゆえに台湾に軍事的圧力をかけ続ける中国の苦悩=小原凡司
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リスク10 台湾有事 軍備拡大競争が過熱へ 中国は「統一を諦めない」=小原凡司
2021年3月、米インド太平洋軍のデービッドソン司令官と後任のアキリーノ海軍大将は、米連邦議会の公聴会で、今後6年のうちに中国が台湾に武力侵攻する可能性を指摘した。
それでも、現状では、台湾海峡において中国と、台湾を支持する米国が軍事衝突を起こす可能性は低いと見ている。米中両国とも軍事衝突を望んでいないからだ。
中国が急速に軍備を増強しているのは、中国に対して米国が軍事力を行使することを恐れているからである。そのため中国は「A2AD(接近阻止・領域拒否)」戦略に基づいて、(1)対艦弾道ミサイル、(2)大型爆撃機から発射可能な巡航ミサイル、(3)航空機、(4)艦艇、(5)これらを接続するネットワーク──などを整備し、米国の軍事力行使を抑止しようとしてきた。
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週刊エコノミスト
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