米中対立が激化する中、「中国依存」脱却を目指す米国=福地亜希
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リスク11 米中摩擦 米国が同盟国と関係強化も アジアで深まる中国依存=福地亜希
米バイデン政権は、外交分野で前トランプ政権の「米国第一」主義から決別し、国際協調、同盟国との連携を重視する姿勢に転換したが、当面は国内問題を優先せざるを得ない。3月に米通商代表部(USTR)が議会に提出した「2021年の通商政策課題と2020年年次報告」では、パンデミック対応や国内経済の回復を優先しつつ、労働者の利益確保や気候変動問題への対応を通商政策の柱とした。
グローバリゼーションの結果、米国内製造業の雇用が失われ、所得格差が拡大したとの見方が強まる中、従来以上に労働者の利益確保を重視した通商政策が内政上求められている。中国に対しては、気候変動やパンデミック対応などでは協調を模索しつつも、その不公正な経済貿易慣行に包括的戦略で厳しく対処する方針だ。
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週刊エコノミスト
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