経済・企業世界経済急回復のワナ

米インフレ過熱で金利上昇と株価急落へ 難しいFRBの舵取り=加藤出

FRBは当面は現行スタンスを維持する方針だが…… (Bloomberg)
FRBは当面は現行スタンスを維持する方針だが…… (Bloomberg)

リスク1 インフレ過熱 米金融引き締め前倒しで長期金利急騰、株価急落も=加藤出

「CPIショック」──。5月12日発表の米国の4月のコアCPI(食料とエネルギーを除いた消費者物価指数)前年比は、市場予想を大きく上回るプラス3%となり、世界的に株価が急落する事態となった。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、「インフレ率が2%をしばらく上回るまで利上げは行わない」と市場に約束している。3月時点の米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者予想中央値は、ゼロ金利解除を2024年以降と見なしていた。FRB幹部は以前から、今年春にインフレ率はいったん急上昇するものの、それは前年同月の水準が低かったことに伴う“ベース効果”など一時的要因によるものであり、金融政策に影響は及ぼさないと繰り返し説明してきた。

残り3711文字(全文4057文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事