週刊エコノミスト Online編集後記

加藤結花/浜條元保

編集部から

 6月1日号で掲載した福島第1原子力発電所事故10年の特集を担当した。現地ルポを書いた横浜国立大学准教授の高橋弘司さんは2014年から毎年、学生らを連れて被災地の取材を続けてきた。昨年は新型コロナウイルスの影響で取材合宿は中止となったが、この10年を振り返ってもらうため今年3月、これまで取材してきた被災地の住民らを一人訪ね、執筆したのがその内容だ。

 悩んだのが特集タイトルだ。いまだ厳しい現実を反映したものがいいか。未来の希望を感じられるものがいいか。悩んだ末、住民らが受けた理不尽や葛藤の10年を表そうと「翻弄された福島」というタイトルを提案したところ、高橋さんからは「翻弄されている現実は今も変わらないので、過去形じゃないほうがいい」という意見をもらった。もっともだと思い、「翻弄される福島」に改題した。厳しい現実は続いている。

残り793文字(全文1165文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

10月3日号

金利ある世界18 長期金利の居場所の探り合い 10年国債が主役に復活する日■稲留克俊21 絶えざる資産インフレとデフレ■水野和夫22 ドル・円 米金利上昇で景気失速、金利低下 1ドル=130円の円高を目指す■吉田恒24 日本株 企業に生じた「インフレ利得」 「マイナス金利」が追い風に■黒瀬浩一27 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事