加藤結花/浜條元保
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編集部から
6月1日号で掲載した福島第1原子力発電所事故10年の特集を担当した。現地ルポを書いた横浜国立大学准教授の高橋弘司さんは2014年から毎年、学生らを連れて被災地の取材を続けてきた。昨年は新型コロナウイルスの影響で取材合宿は中止となったが、この10年を振り返ってもらうため今年3月、これまで取材してきた被災地の住民らを一人訪ね、執筆したのがその内容だ。
悩んだのが特集タイトルだ。いまだ厳しい現実を反映したものがいいか。未来の希望を感じられるものがいいか。悩んだ末、住民らが受けた理不尽や葛藤の10年を表そうと「翻弄された福島」というタイトルを提案したところ、高橋さんからは「翻弄されている現実は今も変わらないので、過去形じゃないほうがいい」という意見をもらった。もっともだと思い、「翻弄される福島」に改題した。厳しい現実は続いている。
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週刊エコノミスト
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