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東京市場 株価下落の戦犯はグロース株だ=秋野充成

東京市場 ストラテジストが読む 株価下落の真相はグロース株の調整=秋野充成

 4月の米消費者物価指数(CPI)で変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数が前月比0・9%の上昇(前年同月比3・0%上昇)と、1982年以来の高い伸びとなった。

 経済正常化に起因した需要増に加えて、労働市場、供給網の制約、資源価格高騰によるコスト上昇が効いているようだ。需要要因だけなら良いインフレだが、コスト上昇が続くと悪いインフレにもなる。米連邦準備制度理事会(FRB)の見解は供給網、労働市場においても制約要因は一時的で悪いインフレには至らないということだ。

 5月中旬の日本の株式市場はインフレ懸念の高まりを根拠に大きく下げた。日経平均株価は5月10日の高値(2万9685円)から13日の安値(2万7385円)まで2300円、7・75%下落。懸念は突如として高まったわけではなく、経済正常化が進む中で、ある程度のインフレ進行、金利の上昇は当然で、CPIの上振れだけでこれほど株価が下げることは不思議だ。

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