NY市場は行き過ぎたインフレ懸念の反動が来る=堀古英司
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過度なインフレ懸念の反動=堀古英司
新型コロナウイルスに対するワクチンの普及とともに経済再開期待が高まり、米10年物国債利回りは2020年末の0.9%台に対し、今年5月末時点では1.6%での取引となっている。インフレ懸念がさらに高まって長期金利が上昇し、株式相場の上値を抑えるとの懸念が市場を覆っている。しかし、この懸念は既に過度に織り込まれており、年後半にかけて反動が出る可能性が高い。
第一にインフレは、コロナ感染拡大による生産活動縮小の反動という一時的要因によるところが大きい。第二に、コロナ感染拡大後、雇用はまだ800万人以上失われた状態であり、本格的な賃金上昇につながる可能性は低い。第三に、実質金利はマイナスで推移し、経済・投資活動に極めて有利な状況が続いている。市場にとってリスクと言われる要因も、いったん織り込まれてしまえば追加的な相場下落要因にはならない。
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週刊エコノミスト
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