マーケット・金融THE MARKET

NY市場は行き過ぎたインフレ懸念の反動が来る=堀古英司

過度なインフレ懸念の反動=堀古英司

 新型コロナウイルスに対するワクチンの普及とともに経済再開期待が高まり、米10年物国債利回りは2020年末の0.9%台に対し、今年5月末時点では1.6%での取引となっている。インフレ懸念がさらに高まって長期金利が上昇し、株式相場の上値を抑えるとの懸念が市場を覆っている。しかし、この懸念は既に過度に織り込まれており、年後半にかけて反動が出る可能性が高い。

 第一にインフレは、コロナ感染拡大による生産活動縮小の反動という一時的要因によるところが大きい。第二に、コロナ感染拡大後、雇用はまだ800万人以上失われた状態であり、本格的な賃金上昇につながる可能性は低い。第三に、実質金利はマイナスで推移し、経済・投資活動に極めて有利な状況が続いている。市場にとってリスクと言われる要因も、いったん織り込まれてしまえば追加的な相場下落要因にはならない。

残り108文字(全文495文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事