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週刊エコノミスト Online 編集後記

斎藤信世/秋本裕子

編集部から

 アルツハイマー病の治療薬を、米当局が条件付きで承認した。世界で約3000万人いるとされる患者やその家族にとっては大きな希望になるに違いない。

 中学生の頃に、祖父がアルツハイマー病と診断された。両親からは、「いつかは家族の名前も忘れてしまう」病気だと説明されたことを覚えている。

 病状は悪化した。ある日は、散歩に出かけたものの帰路が分からなくなり警察署で保護された。またある日は、食事をしたことを忘れて何度も何度もご飯を食べた。その後、介護施設に入居した祖父は、長い闘病の末、5年前に他界した。

「家族に迷惑をかけて情けない」が口癖になった晩年の祖父を思い出すと、今でも胸が苦しくなる。新薬の有効性が確認され、アルツハイマー病と闘う人たちが救われる日が一日でも早く来ることを願っている。

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