「水素還元」実現に費用はどれだけ……鉄鋼業界の重すぎる負担=真田明
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鉄鋼業界 暗中模索の「水素還元製鉄」 設備・研究開発の重たい負担=真田明
鉄鋼業界は久々の好業績に沸いている。2022年3月期の連結純利益で、最大手の日本製鉄は2400億円、2位のJFEホールディングス(HD)は1300億円とそれぞれ予想する。両社とも3年ぶりの黒字を見込む。しかし一息つく間もなく鉄鋼大手には、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル(炭素中立)」の高い壁が待ち受けている。
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鉄鋼大手は中核設備の高炉で、鉄鉱石から酸素を取り除く還元工程で石炭由来のコークスを使うため大量のCO2を排出する。3位の神戸製鋼所を含め大手各社は中期経営計画を今春に発表し、脱炭素への施策を示すことが迫られた(表)。日鉄は30年度にもCO2排出量を13年度比で30%削減、JFEは24年度に鉄鋼事業で同18%減、神鋼は30年度に同30〜40%減を目標に設定するとともに50年に炭素中立を目指すとしている。
脱「高炉」は困難
業界期待の新技術の一つが、水素還元とCO2の分離・回収を複合した「COURSE(コース)50」。08年から鉄鋼大手が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け研究してきたプロジェクトで、石炭の代わりに水素を還元工程で利用する。ただ、同プロジェクトでは水素は補助的な投入量にとどまり、CO2排出削減は現状の30%が限界とされる。
還元工程でCO2をまったく出さない完全な「水素還元製鉄」となると、ハードルは一気に上がる。COURSE50は製鉄所内で生じるコークス炉ガスから水素を活用する工程を取り入れている。水素を大…
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週刊エコノミスト
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