脱炭素で「蓄電池」のコストが到底合わないこれだけの理由=前田雄大
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電池の限界 系統制御ではコスト合わず 現実的な解はEVの活用=前田雄大
日本が掲げた2030年度の温室効果ガス排出46%削減(13年度比)の道筋において、蓄電池は再生可能エネルギーの出力を平準化するための絶対的ツールとはならない。蓄電池を電力系統の安定化に使うとコストが上がるが、そのコスト増を織り込んで市場競争力を持つほど、系統における「再エネ+蓄電池」の構図はコスト競争力がないからだ。
例えば、家庭でいえば、買う電気よりも自宅に設置した太陽光のキロワット時単価が安ければ、昼間は太陽光の電気を優先的に使用する。しかし、この相対的に安い太陽光の電気を蓄電池にためて、夜間も使用しようとすると、蓄電池のコストを入れてもなお、買う電気よりも安くなるかが重要となる。
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週刊エコノミスト
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