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急逝の中西宏明氏、親友だけが知る素顔=伊東千秋

グローバル基準の目線で意見を発信し行動した中西宏明氏(2015年2月、東京都内で)
グローバル基準の目線で意見を発信し行動した中西宏明氏(2015年2月、東京都内で)

追悼 中西宏明・経団連前会長 異質な日本を憂えた国際人 心優しき改革者「再開国」の覚悟=伊東千秋

 7月1日、中西宏明(前日本経団連会長〈前日立製作所会長〉)の訃報に接した時には驚いた。5月、経団連会長と日立会長の退任発表後は元気になり、6月には出社するまで回復すると聞いていたからだ。

 私が中西と親交を深めたのは、同期入学した東京大学工学部在学中の1968年夏のことだった。高校時代に関節リウマチを発症して、体育の授業を見学していた私を、中西が北アルプス縦走に誘ってくれたのだ。躊躇(ちゅうちょ)していた私を、「リウマチは動かさないと治らないよ」と、彼が背中を押してくれた。当時、彼と婚約していた明美夫人も一緒に1週間で縦走を完遂することができたのは、一番歩きの遅い私にペースを合わせてくれた中西の優しさのおかげだった。

 大学を卒業し、中西は日立に、私は富士通に就職。お互いに忙しく交流が途絶えていたのが一転、頻繁に会うようになったのは、中西が一度は社長レースに敗れ、ハードディスクドライブ子会社再建を託され2007年に米国に赴任してからだ。

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