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三菱電機の鉄道機器で不正検査発覚、コロナ禍で車内換気への注目が仇に=梅原淳
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三菱電機の不正検査 コロナ禍で換気に注目 一部列車の運休に発展か=梅原淳
鉄道車両用の空調装置に端を発した三菱電機による不正検査は、同じく鉄道車両用の空気圧縮機でも実施され、杉山武史社長の引責辞任にまで進展した。今なぜ問題が明るみに出たのか。経緯は不明だ。
鉄道車両用の空調装置の大多数は換気装置を内蔵しており、コロナ禍で車内の換気が注目された一方で、国の基準である乗客1人1時間当たり13立方メートルの換気能力に疑問を抱いた鉄道会社の関係者が同社に問い合わせたからだと推測される。筆者のもとにも照会があったほどだ。換気能力は満たしていたようだが、製造時の検査記録を同社が調べたところ、正しい手順を踏んでいなかったと判明したのであろう。
不正検査の手法は日本工業規格(JIS)や鉄道業界団体の規格に規定された検査項目を省略したり、簡素化したりしたというものだ。該当の装置は新規開発の製品ではなく、マイナーチェンジ品であった。構成する部品の大多数は外注品で、三菱電機が要求する規格や基準を満たしているとして、コストダウンや納期の短縮のために完成品での検査をおろそかにしたようだ。
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週刊エコノミスト
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