ジャクソンホール会議が注目を浴びるこれだけの理由=久保和貴
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ジャクソンホール会議って? 経済・金融シンポジウムが政策転換「におわせる」場に=久保和貴
8月下旬に、米国のカンザスシティー連邦準備銀行の主催で、西部ワイオミング州でジャクソンホール会議が開催される。そもそもジャクソンホール会議とは何か、歴史を振り返りながら解説する。
この会議は主要国の中央銀行幹部や政策立案担当者、経済学者などが参加する経済・金融シンポジウム。1978年から毎年開催されており、世界経済が直面する重要な経済問題が議論される場だ。
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市場参加者の注目を集めるようになった背景には、2010年8月の会議でバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長(当時)が、QE2(量的緩和策第2弾)導入を示唆したことが大きいとされる。実際、同年11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では予告通りQE2が導入されたことから、ジャクソンホール会議での「におわせ」が経済・金融政策を占う上で重要とみなされるようになった。
14年にはドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁(当時)がユーロ圏におけるインフレ期待の低下に強い懸念を表明し、翌月9月のECB理事会で追加利下げが行われたことも、この会議への注目を高める一助となった。
直近では20年にパウエルFRB議長がAIT(平均インフレ目標政策)を打ち出したことが記憶に新しい。一国の中央銀行(およびそれに類する制度)が、金融政策の枠組み変更という極…
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週刊エコノミスト
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