東京市場 ストラテジストが読む 米長期金利、低下なら内需系狙い=三宅一弘
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日本を含めて主要国の債券・株式市場に大きな影響を与える米10年国債利回り(長期金利)は4月以降、米国の景気・物価が上振れ、大規模金融緩和政策の正常化観測が広がる中で、むしろ低下基調にある。年末にかけて米長期金利がどう動くのか、物色対象の選び方を含めて日本株を占うカギになろう。
これについては大きく三つのシナリオが想定される。第一はコロナ禍を脱し、米国の経済や金融政策が正常化傾向を強め、米長期金利が上昇基調をたどるケースである。この場合、日本株は国内でのワクチン接種進展も加わり、景気・企業収益の好転を織り込む形で業績相場の色彩を強め、景気敏感株や、コロナの打撃が大きかったサービス産業を中心とする「経済再開銘柄」が市場人気を集めよう。
第二は、秋以降の米景気の鈍化を織り込む形で米長期金利が軟化基調となるシナリオだ。このケースは、米国や世界景気に連動する素材をはじめとする外需・製造業、銀行など金融株に対する敬遠ムードが強まり、日本株は横ばい圏の推移になりそうだ。業績安定のいわゆるディフェンシブ株が注目されるほか、内需系の独自的な成長銘柄を選別する動きが強まるだろう。為替は円高・ドル安に動くリスクが出てきそうだ。
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週刊エコノミスト
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