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経済・企業 下期世界経済総予測

自動車は新車需要旺盛だが半導体不足と原材料価格高騰が影響=河村靖史

部品価格の上昇が新たな懸念材料に (Bloomberg)
部品価格の上昇が新たな懸念材料に (Bloomberg)

自動車 車載半導体の不足は続く トヨタ優勢、他社は厳しい=河村靖史

 国内の自動車業界は、今年下半期に向けて、旺盛な新車需要に対応しつつも、車載半導体不足と部品価格の高騰という難題に直面している。車載半導体不足による減産は、今年半ばごろまで続く見込みだ。7月に入って、一部の自動車メーカーでは、半導体不足が解消に向かいつつあるようだが、各社とも半導体の在庫量を増やす動きに転じる可能性が高く、そうなれば再び半導体需給が逼迫(ひっぱく)する。

 多くの自動車メーカーは、在庫を極力持たない「カンバン方式」を生産の基本にしているが、この方式は、車載半導体のような代替が容易でない基幹部品が不足する事態では、極めて脆弱(ぜいじゃく)であることが明らかになった。再び半導体需給が逼迫した場合にどう対応するのか、各社の今年下半期の業績に直結する。

ホンダはSUVで苦戦

 次に各社の動向だが、トヨタ自動車は国内外で新車販売が順調なものの、半導体不足による減産の影響が拡大しており、「ヤリス/ヤリスクロス」などの人気車の納車遅れが深刻だ。日産自動車は北米市場に投入した新型SUV(スポーツタイプ多目的車)「ローグ」で販売回復を目指すが、販売奨励金を絞っており、新型車の投入も少なく、下半期以降も厳しい状況が続く。ホンダも厳しい。グローバルモデル「シビック」の新型車投入で販売のてこ入れを狙うが、人気モデルがSUVにシフトしていて苦戦しそうだ。経営課題の四輪車事業の利益率改善のため、工場閉鎖やモデル数削減を進めており、明るい材料は少ない。

 新型車投入の空白期間の長いマツダは、販売低迷が続く。米国市場でSUV「CX−3」…

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