脱炭素巡る攻防、接待問題の余波……「官僚たちの夏2021」人事を読み解く=編集部
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拡大版 2021年 「霞が関人事」を読み解く
財務省 炭素税導入シフト
財務省の定期異動で目を引いたのは、他省庁との政策調整を担う「総括審議官」人事だった。主税局担当の審議官を務めた小野平八郎氏(89年大蔵省)=写真=が起用された。総括審議官は太田充前次官ら、歴代次官も数多く経験した「次官の登竜門ポスト」だ。事前の予想では、小野氏と同期の宇波弘貴主計局次長も取り沙汰されていた。宇波氏は89年の中でもいち早く昇格し、次官の有力候補でもある。
小野氏が総括審議官に起用された理由の一つが、政府の脱炭素政策とみられる。今夏まで総括審議官だった新川浩嗣氏(87年同)は、内閣官房気候変動対策推進室長も兼務して、「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」実現のための政策とりまとめを担った。小野氏もこの役割を担う。
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週刊エコノミスト
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