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国際・政治 下期世界経済総予測

イランのライシ新政権始動、反米姿勢も核合意再建に前向きか=宮田律

過去最低の投票率で当選したライシ新大統領 (Bloomberg)
過去最低の投票率で当選したライシ新大統領 (Bloomberg)

イラン 反米強硬派の新大統領就任へ 核合意復活には前向きか=宮田律

 イランの保守強硬派、イブラヒム・ライシ師が8月に大統領に就任する。反米のスタンスを崩さないままにイラン核合意の再建を図り、他方、周辺諸国に対しては現実的で、融和的な政策を追求していくに違いない。

 イラン経済は米国トランプ政権の制裁強化の影響もあり、2021年にはインフレが年率36%、失業率は12%と、人口の33%が貧困ラインよりも下の生活を余儀なくされている(国際通貨基金〈IMF〉)。そのためイランの経済的困難を軽減するには、核合意に復帰して制裁解除の実現を図らなければならないのだ。

 ライシ師は当選後の6月21日、イランが核合意に復帰する条件として米国の制裁の全面解除を要求した。また、バイデン大統領と会談する可能性やイランが弾道ミサイルの開発や周辺諸国の親イラン勢力への支援を放棄することがないとも明言した。

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