経済・企業

ドル・円/ユーロ・円 来年は円高へ再逆転=馬渕治好

 為替相場の動向は、おおむね年末年始を境として、様相が逆転すると見込む。

 為替相場に影響を与える要因として、投資家のリスク回避度を注視する。米ドルの名目実効為替レート(諸通貨に対する米ドル相場の加重平均値)をみると、2020年3月のコロナショック時が近年で最も高かった。リスクが高まれば「寄らば大樹の陰」で、先進国のなかで相対的に経済が安定し株式・債券投資の魅力が高い米国の通貨を買おうという動きだ。従前の「リスク回避のための円高」のお株を米ドルが奪った形で「米ドル>ユーロなど非米ドル通貨」といった強弱だ。

 そこから足元までは、世界経済がコロナ禍による打撃から徐々に立ち直り、主要国の株価が回復してきた。これが投資家のリスク追求的な姿勢を強め、ユーロなど「非米ドル通貨>米ドル>日本円」といった流れに逆転した。これからも景気回復基調に大きな変化は生じず、ユーロが米ドルに勝る形で、両通貨が対円で上昇するだろう。

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