東京市場 ストラテジストが読む 出遅れた日本株、反転へ忍耐の時=三井郁男
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引き続きコロナ感染動向はリスク要因だが、ワクチン接種率が上昇すれば正常化が視野に入る。日本株は業績やバリュエーション(投資尺度)を考慮しても出遅れが大きく、見直されるまでもうしばらくの辛抱だろう。
東京五輪前に4回目の緊急事態宣言が出て、サービス消費中心に景気の下押し圧力が続いている。一方、ワクチン接種は本格化し7月末の接種率は1回目接種を含め約4割に迫る。感染拡大に一定の抑止効果が出てくる水準に近づいた。
景気認識は国際通貨基金(IMF)の経済見通しが7月末に更新されたが、日本の景気回復の遅れは市場に織り込まれつつある。2021年の世界の経済成長は6・0%で4月から変更はなかったものの、欧米を中心に先進国は上方修正されたが、新興国と途上国は下方修正され、ワクチン接種状況で明暗が分かれた。日本は先進諸国で唯一、下方修正(0・5ポイント)され、2・8%に引き下げられた。緊急事態宣言が相次ぎ出され、経済…
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週刊エコノミスト
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