経済・企業 EV世界戦
米国で一番売れる「ピックアップトラック」がEV化する背景は=土方細秩子
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GMとフォードが猛追 人気のトラックで脱ガソリン 30年に全米500万台へ=土方細秩子
テスラが2021年後半に発売を予定していたピックアップトラック(小型トラック)「サイバートラック」への予約件数が120万台を突破した。今年前半だけでモデルY、モデル3の合計で12万台以上を販売したが、サイバートラック導入により米国EV販売で圧倒的なシェアを占める。ただし、コロナによる部品調達の遅れもあり、販売は22年にずれ込むことになった。
チャンスがめぐってきたのが、22年にEVピックアップトラック「F150ライトニング」を発売予定のフォード・モーターと、「ハマーEV」を発売するゼネラル・モーターズ(GM)だ。
今年5月、バイデン米大統領がミシガン州にあるフォードのEV工場を視察した際、F150ライトニングを自ら試乗して話題となった。F150ピックアップトラックは米国の年間ベストセラーで、毎年60万台以上を売り上げる。ちなみに乗用車部門のベストセラーであるトヨタカムリが30万台あまり。人気ぶりが分かる。
そのベストセラーモデルがEV化ということで、ライトニングには10万台以上の予約が殺到。ライバルであるGMのハマーEVも、最初の予約分1万台が発表から数分で「売り切れ」になった、と伝えられている。米国でのピックアップトラックの根強い人気と、それがEV化された際のインパクトの大きさが見て取れる。
欧州向けも全EV化
元々フォードは米国の中では最も電動化に積極的で、18年の時点で「乗用車については人気の2車種を除いてすべてEV化」という方針を打ち出し、19年には独フォルクスワーゲン(VW)と提携し…
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週刊エコノミスト
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