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国際・政治 FOCUS

米同時多発テロから20年 「非国家の共同体」出現 終わりなきテロの脅威=広瀬公巳

 2001年9月11日午前8時46分。アメリカン航空11便がニューヨークのワールドトレードセンター北棟の壁面を切り裂くように衝突しジェット燃料が爆発。ツインタワーの南棟にはユナイテッド航空175便が機体を傾けながら突入した。ハイジャックされた旅客機の自爆攻撃で、110階建て高層ビルは粉じんを上げながら崩れ落ちた。

 当時、NHKの海外特派員をしていた筆者は直ちにパキスタンに拠点を設け現地情勢を取材、連日中継を続けた。10月7日には当時のブッシュ大統領が、「テロ組織アルカイダの訓練基地と軍事政権タリバンに対し攻撃を開始した」と宣言。当初の目標は国際テロ組織「アルカイダ」のリーダー、ウサマ・ビンラディンを捕まえることだった。

 ビンラディンは潜伏先のアフガニスタンで米国との戦争を宣言し、ケニアとタンザニアのアメリカ大使館を爆破していた。米国はビンラディンの引き渡し要求に応じないタリバンを空爆。タリバン政権は崩壊したが、肝心のビンラディンは見つからなかった。戦う相手を失った米国の矛先はイラクに向けられた。核や生物化学兵器がテロ集団の手に渡ってしまうという口実でイラク戦争が遂行された。筆者は中央軍司令本部でも米軍の攻撃を取材し、フセイン政権の最期を見とどけたがここでも大量破壊兵器は見つからなかった。

 テロから10年後の11年に、米軍はパキスタンに潜伏していたビンラディンの殺害に成功した。これで…

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