経済・企業 商社2021
インタビュー 丸紅・柿木真澄社長「大型投資こそがすごい」思考へ決別宣言 事業は「小さく生んで、育てる」
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Top Interview3 柿木真澄・丸紅社長 「昨年度は国内の事業会社が貢献」
過去の大型投資への反省から、国内事業の収益基盤をしっかり強化する方針に転じている。
(聞き手=種市房子/稲留正英・編集部)
昨年度は国内の事業会社が貢献 事業は「小さく生んで、育てる」
── 投資を小型化しているようだが、考え方は。
■新型コロナウイルス感染拡大の影響で、海外出張ができず、2020年度は特に力を入れて、国内のいろいろな事業会社を回った。さまざまな業種やサイズがあるが、小粒なところも含め、きちんと実績を上げてくれた。そういうものの積み重ねが、昨年度の業績につながったと改めて実感した。地域別の投資先で最大は米国だが、その次は国内だ。こういう国内の事業会社が一皮むけて、少し上のランクに変身するだけで、相当なインパクトがある。
総合商社の長所は、多様なところに事業を分散していることだ。小さい柱でも、数多く持っていることが重要なのではないか。
── 小さい柱は、海外でも?
■例えば、米国の食肉事業(クリークストーン・ホールディング)を始めたころは、「本当に商売になるのか」と思ったが、いざ、ふたを開けてみると、コロナでも金融危機でも、人はものを食べないと生きていけない。海外で小さく始めた案件でも、需要をしっかりつかんだビジネスである限り、外れはない。
── 米中古車販売金融のナウレイクも収益に貢献した。
■最初はコロナですごいダメージを受けると思ったが、米国は自動車がないと生きていけない社会。コロナでお金が限られているときに、消費者の目が新車より中古車に向いた。DX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル化による企業・事業の再構築)を使い、申請から決済まで1分以内でできる販売金融のシステムを組んでいたことが功を奏し、我々がびっくりするような業績を上げた。
── 必ずしも大型投資を排除すべきではないと。
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週刊エコノミスト
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