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中国7〜9月期GDP プラス幅が大きく縮小 コロナ・資源高が響く=丸山健太
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中国の7〜9月期実質GDP(国内総生産)成長率が10月18日に公表され、前年比プラス4・9%と、4〜6月期の7・9%から大きく鈍化した。昨年の落ち込みの反動による押し上げ効果がなくなったとはいえ、コロナ前に6%程度の成長率を維持していたことを踏まえると、中国の景気減速を示す内容となった。
この背景には三つの要因がある。
一つ目は、新型コロナウイルスの流行による対面型サービス消費の低迷である。今年2月以降、中国は感染拡大の抑制に成功していたが、7月以降、広東省や福建省でクラスターが発生し、9月の3連休(中秋節)の国内旅行者は2019年の9割弱の水準にとどまっている。
二つ目は、世界的な半導体不足の影響による製造業の一部業種での減産だ。特に産業のすそ野が広い自動車への影響が大きく、自動車生産は6月以降、前年比2桁のマイナスが続いている。また、冷蔵庫や洗濯機といった白物家電、スマートフォンなどの生産も、8月にそろって前年割れとなった。
三つ目は、企業の収益環境の悪化である。原油など資源・エネルギー価格が高騰する中、企業の部品・原材料の調達価格は上昇が続く一方、製品の出荷価格の上昇は小幅にとどまった。とりわけサプライチェーンの「下流」にある業種の企業や、中小零細企業は価格転嫁が難しく、コスト増が経営を圧迫している。
年末はさらに減速
今後はこれらの要因に加えて、中国恒大集団の経営不安にみら…
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週刊エコノミスト
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