新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

国際・政治 ワシントンDC

実は内部に入れるワシントン記念塔 歴史、内部を現地駐在員が解説=溝口 健一郎

プレートにはコロナの死者数が刻まれていた 筆者撮影
プレートにはコロナの死者数が刻まれていた 筆者撮影

初代大統領を顕彰する記念塔 象徴するのは「国の統合」=溝口健一郎

 ワシントンDCで最も目立つ建築物は、ホワイトハウスでも連邦議会議事堂でもなく、ワシントンモニュメント(記念塔)であろう。古代エジプトの方尖柱(ほうせんちゅう)「オベリスク」のデザインを採用しており、この塔よりも高い建築物はワシントンでは許可されない。初代米国大統領ジョージ・ワシントンの功績をたたえて建設されたもので、域内どこからでも見ることができ、街の象徴となっている。

 記念塔を囲む国立公園「ナショナルモール」の芝生を、9月17日から10月3日まで約70万本もの白い旗が覆った。メッセージが書かれた旗もある。一本一本が新型コロナウイルスによって亡くなった人を表している。地元の芸術家スザンヌ・ブレナンが「In America: Remember」と題して企画したものだ。「経済復興のためにはある程度の犠牲はやむを得ない」と発言した政治家への怒りが企画のきっかけだという。期間中も死者の増加に合わせて旗が追加された。

内部も見学可能

 筆者は、9月末に記念塔に家族で上った。空港並みのセキュリティーを通り、厚い鉄の扉を通って狭い部屋に通される。そこで再度待たされて別の鉄の扉を開けて頑丈なエレベーターに乗る。建国のシンボルである記念塔を絶対にテロから守るという防御態勢だ。展望階は狭く、東西南北に小さな窓が二つずつ。歩いて1分で一周してしまう。窓からの絶景にいつまででも見ほれてしまうのだが。

 筆者は4年以上ワシントン近郊に住むが、記念塔に上ったのは今回が初めてだった。いつでも行けると油断していたためでもあるが、実は見学は簡単ではなか…

残り684文字(全文1384文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事